FXのサブプライム問題

サブプライム問題に端を発したFX相場

ECB理事会

8月17日にドル円が111.60円の安値を見せた後、117円台までの戻しを見せたものの、その後は比較的広いレンジ取引ながら115円台を中心としての値動きが続いている。市場は今週末の米失業率や9月18日のFOMCの動向を見極めたいとの意識が強く、積極的な売買が乏しい状況となっている。

 

サブプライム問題に端を発した相場も各国の積極的な資金供給に信用収縮面では落ち着きを見せ始め株式相場、為替相場共戻りが鈍い中で落ち着きどころを探る展開が続いている。今後の相場展開だが、わが世の春を謳歌していた輸出企業の為替予約も急激な円高に年内の予約を取ろうと為替予約を活発化する傾向を見せており、115円を社内レートに設定している企業は3ヶ月先の予約では116.50円近辺となることもあって116円台中盤が重い状態が続いている。とはいっても短期筋といわれる投機筋からは116円台後半から117円台前半にかけてストップロスが溜まり始めており、ドル円に関しては短期的に上値を狙った動きも出始めているように見える。

 

明日、欧州中銀(ECB)が理事会を開く予定で、7月にはECBの利上げは市場にほぼ100%といっていいほど織り込まれていたが、サブプライム問題を通して欧州系銀行など予想外の損失を抱えているとの憶測もあり、明日の理事会でのECBの動向に注目が集まっている。ECBはインフレファイターとして有名なドイツ連銀の影響を強く受けていると言われており、市場の期待として利上げを予想する向きもいるものの、8月のサブプライム問題後の市場が未だ落ち着きを見せていないことから、今回は政策金利据え置きを決定するものと思われている。また、据え置きを決定したとしてもインフレ警戒感をにじませる様な発言を期待する向きは多く、年内1回の利上げについては市場に織り込まれているものと思われる。

 

しかし、推測としては欧州系金融機関の損失額が未だ明確にならないことや株式市場が不安定となっていること、また最近のECBからの発言には利上げに対する積極性が消えているように思われ、可能性として明日、ECBは金利据え置きを決定、その後の声明でも利上げ、利下げ両睨みの中立的な声明になるのではないか。その場合、市場では未だ利上げを見込む向きが多くいることからユーロに対する買いが先行していることから、失望感によるユーロ売りにつながる可能性も出ているように見える。

 

ユーロドルは8月16日に1.3360ドルの安値を見たものの、ユーロ金利に対する楽観的な見方から一時1.37ドル台迄買い進まれている。テクニカルには一目均衡表の雲の中で推移しており、方向感は無いものの、ECBをきっかけとして再度ユーロならびに欧州通貨の動きが出る可能性が高いのではないか。

 

これらの金利上げへの期待感や米国を発端とするサブプライム問題によりドルを売ってユーロを買う動きもあるものの、2001年来上昇を続けている欧州通貨の対ドル相場にもそろそろ変化が出る可能性も否定できない。明日のECB理事会がきっかけとなるかどうかは定かではないが、十分に気をつける価値があることは確かである。

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為替相場を前にして

ドル円で115円を下回る予想外に下落を見せた先々週のマーケットだったが、先週は一旦下げ止まりを見せドル円は111円台から117円台まで急激な戻りを見せる結果となっている。先々週のレポートでは115円台で一旦は下げ止まりを見せるものと思っていたが、予想は大きく外れ株式市場の下げに伴い111.58円と思わぬ安値を見せる結果となっている。これは世界的に膨らんでいた円キャリートレードを中心とする円売りポジションが一気に解消されたことにより損切りのドル売り、円クロス売りが思わぬ損切りを呼びマーケットが「信用収縮」という名の疑心暗鬼になったところに大きなポジション解消の動きが強まったことが原因と思われる。

 

先週末のCFTC発表のIMMポジションは円売りポジションは払拭され、若干の円買いポジションに傾く結果となり投機的な円売りポジションの大方は整理されたと言えるのではないか。またこの短期筋のポジション整理によりドル円は一時111円から117円台までの急激な戻りを見せる結果につながっていると思われる。短期的なポジション整理が終わったことで今週は大きな動きにはつながりにくいと思われ114円-117円を中心とした相場展開に終始する可能性が高いと言えると思われるが、中期的なFX相場の方向性についてはどうであろう。

 

先週は日銀による期待されていた利上げは市場の予想通り先延ばしされ9月、あるいは10月に利上げが行われるものといわれている。反面、FRBのサブプライム問題に対する危機感は本物と思われ、グリーンスパン前議長が現職であったならば機動的な利下げが行われていると思われる中、バーナンキFRB議長は公定歩合という形骸化した政策金利を下げる判断に留まっており9月、あるいは10月には政策金利であるFF金利を下げるのではないかと言われている。このことから金利差を背景とした相場展開が継続するのであればドルを売って円を買う動きが今後強まる可能性に言及する市場参加者も多くなりつつあり、マーケットは円買いに対するバイアスが依然として強い状態が継続するとの思惑が多くなりつつなっている。

 

確かに市場の多くが言うように、金利差は依然として大きく、日米双方が金利差縮小に動いたとしても一気に円高とはならないと思われるが、日本の供給した過剰流動性は予想外に世界市場に大きな影響を与えている可能性は否定できず、こういった日本の供給が細ることによって、今後の相場展開のリスクとして円高方向の可能性を念頭の置くべきではないか。

 

多くの本邦輸出企業が社内レートを115円程度に設定するなど、円安局面があまりに長かったことから円高に対する備えは未だ十分とは言えず、実需あるいはオプションを中心とした円買いはいまだに相当な量の興味があるものと思われる。今週は急激な相場の変動で傷ついた市場参加者のリハビリ期間であり、薄い市場の中での広いレンジ取引に終始するものと思われるが、9月の声を聞くと多くの市場参加者が俄然やる気を出して円買いを仕掛ける可能性も高いと言える。

 

本日も米国株式市場の下落を材料として朝方113円台後半を攻める場面があるなど、今までとは違った変動率で推移しており、短期取引を行うという意味では面白い相場展開が続いているが、とりあえず8月17日の111.58円と8月23日の117.15円の61.8%戻しレベルである113.70円を今朝方の113.86円によって達成したと言えそうで、週末にかけて円売り基調での推移が予想される。但し、何度も言うようだが9月の声を聞くと円を改めて買い進む動きが強くなる可能性もあり、大いに注意したいところである。もっとも過去のデータからは8月の下落の割合の大きさに比べて9月のドル円は若干の上げ方向にバイアスが掛かっていることから株式市場の落ち着きによっては117円台程度の戻りの可能性はある。あまり円売りに楽観的な相場勘は慎むべきではないか。


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